ちょっとした一言が
バイト先の懇親会でのこと、上司が楽しませようと突っ込みを入れてくれた。
私はバイト先でもカミングアウトをしている。カミングアウトといっても、すべての人に伝えているわけではない。恋愛の話を振られたときに正直に答えているだけで、自分から「ゲイなんです!」としゃべり倒しているわけではない。
もう半年もお世話になっているバイトだから、知っている人もおおい。だからこそ、宴会の席では自然と鈴木の恋愛事情についても他のアルバイトの人や社員の方が尋ねてくれる場面があった。
今日の懇親会では、未だに鈴木のセクシャリティを伝えていない社員の方もいたので、話の流れに沿って、実は~という具合に伝えた。
反応は、さすが大人ということがあり、とても穏やかで理解を示してくれた。
しかしだ、そのあとは”ゲイ”いじりがすこしはじまった。
正直に思うところは、なんでこういういじり方なのだろうというところだ。
懇親会という場で、盛り上げようという気持ちからの言葉であり、悪意は全くないことも私はよく理解していた。
だから特に傷つくこともなかったが、これが現状なのだなと思った。
ゲイであるということは「ネタになる」と考える人もいるのだ。
当事者が開き直って自分のアイデンティティとして語ることと、他者が「いじり」として語ることは、同じ「ネタ」でも違いは大きい。
もし、その場にカミングアウトをしていないクローゼットのマイノリティがいたらどう思うのだろうか。
ひとによってとらえ方は様々だが、少なからず傷つく人もいるだろう。
誰もが陥りがちなことだが、気づかないうちに、悪意はないのに、人を傷つけてしまう。
少し寂しくも思ったが、宴会の席だったので笑い飛ばした。